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万川集海に登場する忍術・忍器


万川集海に登場する、忍者ならではの術や道具を紹介します



     万川集海とは?のページで述べるように、万川集海は最も内容の充実した忍術秘伝書であると言えます。
     世に知られている殆どの多くの忍術・忍器が、ここから引用されています。


      第四巻 陽忍篇

     出版元である、甲賀の里忍術村の村長さんが訳されています。
     漢字や言い回しなど、ところによっては非常に難解でありますが、内容は読み込むほどに深い含蓄のあるものです。


      ・四方髪の術
      ・如景術
      ・通路人
      ・くノ一の術
      ・隠れ蓑の術
      ・身虫の術
      ・蛍火の術(襟の中に偽書、など)
      ・袋翻の術
      ・天唾の術
      ・弛弓の術
      ・やまびこの術
      ・略本の術
      ・合言葉(畳・へりなど)
      ・水月の術
      ・谷入りの術
      ・妖者の術
      ・桂男の術
      ・目測で石垣の高さを測る術

    *こちらにあげたのは代表的な術のみで、陽忍篇に掲載の術全てを網羅してはおりません

      第五巻 陰忍篇

     文章が平易で、非常に読み易いです。
     個々の「術」だけでなく、忍び込みに際して重要な心構えなどにもよく触れられており、忍者の生き様を知ることができます。。


      ・地蔵薬師の前後を撰ぶ法
      ・忍び込む際の好機とは(騒ぎの起きているときや、大雨・嵐など)
      ・忍者の三病
      ・忍び込みやすい場所
      ・忍ぶにあたり、それぞれの忍器を使うに相応しい場所と方法(崖・城壁を登るには、水場を渡るには、など)
      ・着前の術
      ・隠れ蓑の術
      ・放火術
      ・家に忍び込む場合の適切な時期(新茶の季節は難しい、など)
      ・逢犬術
      ・歩き方(狐走り、深草兎歩など)
      ・除景術
      ・光足を避ける
      ・風上を避ける
      ・除影術(波を立てぬよう水を渡る)
      ・家に忍び込む際の好機について
      ・聴音鼾術
      ・隠形術(隠形の呪文、観音隠れや鶉隠れなど)
      ・逃止の術
      ・遁術(狸退き、百雷筒退き、ひしまき退き、夜半の嵐の術、追っ手に変じ大声をあげる術、珍事出来開閉門の術、狸隠れ、狐隠れ)
      ・下げ緒七法(座探りなど七つの下げ緒の使い方)
      ・釣押などのしかけ
      ・戸やカギの開け方

    *こちらにあげたのは代表的な術のみで、陰忍篇に掲載の術全てを網羅してはおりません

      第七巻 忍器篇

     図説 隠し武器百科を書かれた名和弓雄さんが訳されており、武器に精通する訳者ならではの実践的な語り口が特徴です。
     図が多く、視覚的に理解しやすいです。
     特に火気の処方は非常に種類が多く、詳しいです。
     また、訳者による巻末付録も、忍び装束の図と解説など、非常に興味深い資料となります。  

     □登器
      ・結梯子
      ・飛梯子
      ・蜘蛛梯子
      ・巻梯子
      ・鉤梯子
      ・苦無
      ・鉤縄(ウチカギと記述)
      ・蜘蛛梯子

     □水器
      ・浮橋
      ・蒲筏
      ・甕筏
      ・葛篭筏
      ・水蜘蛛
      ・はさみ箱船

     □開器
      ・トイカキ
      ・刃曲
      ・イレコカギ
      ・ハサミ
      ・ノミ
      ・坪錐
      ・シコロ
      ・折りたたみの鎌
      ・釘抜き
      ・鎖子抜き
      ・イタゾリ

     □火器・薬
      ・南蛮山
      ・胴の火や打ち竹に入れる火種の処方各種
      ・水鉄砲
      ・水火縄
      ・狼煙の処方各種
      ・不眠薬
      ・がんどう
      ・大国火矢
      ・鉄砲二つ鳴り
      ・埋火
      ・鳥の子
      ・洗玉
      ・宝禄火矢
      ・鉄砲生捕火
      ・伝火

     □付録:武器篇(著者による付録)
      ・忍刀(座探り、釣り刀)
      ・手裏剣
      ・吹き矢
      ・弓(半弓・矢文など)
      ・火矢
      ・大国火矢
      ・宝禄火矢
      ・鉄砲
      ・撒菱
      ・かすがい
      ・戸閉器
      ・大竹べら
      ・忍び杖
      ・仕込み杖
      ・耆著
      ・草鞋の滑り止め金具
      ・小音聴き金(水中のものも)
      ・水中すいり
      ・鈴火
      ・忍び六具
      ・忍び装束(頭巾、脚絆と手甲、褌も含む。構造など、詳しい)

    *火器については、非常に処方が多いため、一部に留めました


     以上のように、万川集海は非常に内容の充実した秘伝書であり、これに触れることで忍者の世界をより深く楽しめるのではないかと思われます。
     また、創作活動の資料としても、必携の書の一つであろうと思われます。
     未出版ではありますが、正心篇・将知篇などにも、忍者の心構えや、姿勢などが説かれており、出版が望まれます。



    カギ縄



    「伊賀流忍者 ホームページ」では、この万川集海の目次と、 「正心(忍者の心得)」部分の現代語訳を抜粋して掲載しています
    気になる方はぜひ、訪れてみてください!


    *今後、新たな情報を得られ次第、このページに加えていきたいと思います。